サックス

サックスを独学で5年間練習した私が教える独学のメリットデメリット

初めまして。

サックス歴18年、音大卒業後、現在はサックスの演奏・指導を仕事にしているゆりんです。

私は中学1年生の頃からサックスを始め、最初の5年間は独学で練習をしていました

これまで私が独学で練習をした過去を今となって振り返った時のメリットとデメリットをお伝え致します。

なぜサックスを独学で練習しようと思ったか

中学1年生の頃、吹奏楽部に入り、サックスを手にしました。

部活動の先輩も、もちろん初心者なのでほとんど教えてもらうことはなく、なんとなく教材を見ながら練習をしていました。

私はピアノを幼稚園の頃から習っていたので、楽譜を読むことはすでにできていました。

部活動の先輩は、私と同級生で楽譜が読めない子につきっきりだった記憶があります。

他の楽器に比べてサックスは音を出すことが簡単なので、運指さえわかっていればそれなりに吹けてしまう部分があり、中学1年生の私はリコーダー感覚で演奏を楽しんでいました

当時はどんな音が良い音というのも分かっておらず、音が鳴って、それなりに楽譜に沿って演奏していれば合奏でも楽しく演奏できていました。

この頃すでにピアノは10年以上習っていたのに、サックスは「習いたい」と思わなかったんですよね。不思議です。

サックスを独学で練習するメリット

メリット①お金がかからない

何と言ってもこれが1番大きいと思いますが、独学で練習すればお金がかかりません。

もし、サックスを習うとなると安くても月に1万円ほどかかります。

サックスを始めた当時はピアノと塾に通わせてもらっていたので、サックスを習うとまた大きな出費になっていたと思います。

練習場所は学校か家だったので、練習環境にお金は必要ではありませんでした

いくら練習してもお金がかからないのはとても良かったです。

メリット②楽しく練習できる

練習ではそれなりに難しいと感じることはありましたが、これができるようになった!と自己満足で終われるので、練習がとにかく楽しかったです。

周りにサックスを演奏できる人がいなかったこともあり、褒められることの方が多く、常にサックスを演奏している時は気分が良かったのもありました。

私は当時もピアノを習ってました。

先生のアドバイスが、なかなか自分の中で意味が理解できなかったり、落とし込めなかった部分があり、あまり楽しくありませんでした。

先生が選択する曲を基本的に練習していたので、なんだかすごく窮屈に感じてしまい、常にピアノを弾く時は先生の言う通りに弾いている感覚に陥っていました。

その逆でサックスの練習は、自己流で自分の意思で練習が出来たのでとても自由でした。

好きな曲を耳コピで演奏したり、なぜかとても速い速度で自分の限界にチャレンジして演奏したり、サックスを純粋に楽しんでいました

メリット③自分のやりたいペースで練習できる

自分の意思で練習をしているのでやりたい時に練習をして、やりたくない時は練習をしなくていいのが良かったです。

とことんやりたい時は、学校で朝・昼休み・放課後と練習して、さらに家に楽器を持ち帰り夜もすごく小さい音で練習をしていました。

本やネットで練習方法を探して、実践したりするのも楽しかったです。

慣れてくると練習よりも友達と話したりする方が楽しい時もあり、楽器を吹かずに1日を終えることもありました。

とにかく何にも縛られていないので、自分のペースで楽しむことができます。

サックスを独学で練習するデメリット

デメリット①独りよがりな演奏になってしまう

ある程度演奏出来るようになると、自分に酔ってしまうというか、すごく自分が上手に演奏できている気がして、独りよがりになっていました。

このぐらいでいいや、なんとなくできている、周りの友達にも上手いって褒められた、そんなレベルで終わっていました。

練習の中でも自分の中での独自ルーティーンみたいなものがあり、意味のないロングトーンの練習やタンギングの練習をとりあえずやっておけばいい、と時間だけを無駄に過ごしていた時期もありました。

独りよがりにならないためには、誰か助言できる人に聞いてもらってアドバイスをしてもらったり、自分で録音して聴いてみたりするべきです。

デメリット②モチベーションが保ちにくい

独学で練習をしていると、周りからの刺激がないのでモチベーションが保ちにくいです。

自分の中での目標があっても、その目標が自分に甘過ぎたりすることもありました。

私はサックスを習うまでの独学の5年間は、サックスの先生や仲間がいなかったので尊敬できる人や相談できる相手がほとんどいませんでした。

どんなことにも共通することですが、尊敬できる人や仲間がいるからこそ、自分の向上心が上がっていくものだと思います。

ある程度、自分の中で演奏できるようになってからでも遅くないので、アドバイスをくれる尊敬できる先生や仲間を作る方がいいです!

デメリット③正しい奏法に治すまでに時間がかかる

私は5年間の独学でもともと正しい奏法を知らずになんとなく演奏してしまっていたので、変な癖がついていました。

その癖はタンギングをする時にあごが動いてしまうというものです。

この癖が原因でテンポ100以上の速い速度のタンギングが全くできませんでした。

3年ほど独学で練習をしていた時にこの癖に気づき、自分で治そうとしましたが、そもそも正しい奏法を知らないので治し方分からず、何が原因であごが動いているのかも全く分からなかったんです。

テンポ100以上のタンギングってあまり吹奏楽の演奏では出てこなかったのもあり、それからもずっと放置をしていました。

でも、やはり時々出てくると困っていたので、サックスを習い始めた頃に先生に相談して解決策を教えて頂きましたが、治るまでにすごく時間がかかったのを覚えています。

やはり独学では正しい持ち方・姿勢・奏法などを習得するのは難しく、なんとなく練習してしまうので注意が必要です。

結局独学か習うかどっちがいい?

私はピアノをずっと習っていましが、途中で嫌になり辞めてしまった経験があるので、「楽しい」と感じるまでは、まずは独学でもいいのではないかと思います。

独学で練習していく中で疑問に感じたり、つまづいたりしたら早めに習いに行くことがおすすめです。

最短で楽器を上手になるには「習う」一択ですが、楽しみながら長い間趣味として続けるのであれば、独学の時期もあっていいのではないかと思います。